スマホのデータを家族で分け合う「データシェア」。実は、大手キャリアと格安SIMでは、この機能に対する「考え方」が180度違います。
なぜ大手はシェア機能を減らし、格安SIMはシェア機能を強化しているのか。その裏側にある、それぞれの戦略を事実に基づいて解説します。
1. 大手キャリアの考え方:一人ひとりが「自立した無制限」
現在の大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の戦略は、家族で分け合うことよりも「一人ひとりが好きなだけ使う」ことに重きを置いています。
かつてはドコモの「シェアパック」のように、家族で一つのバケツを共有するプランがありましたが、現在はその多くが新規受付を終了しています。
大手の狙いは「データ無制限」への誘導
大手キャリアにとって、理想的な形は「家族全員が無制限プランに入ること」です。 データシェア機能を充実させてしまうと、家族が少ない容量でやりくりできてしまい、単価の高い無制限プランへの移行が進まなくなります。
そのため、現在のシェア機能は「スマホとタブレット」のように、個人が持つ複数端末での共有に限定されつつあります。家族間については「分け合う」のではなく「家族全員の料金を割り引く(家族割)」ことで、家族全員の継続利用を促す戦略をとっています。
2. 格安SIMの考え方:家族で「効率よく使い切る」
対照的に、IIJmioやイオンモバイルなどの格安SIMは、「家族で一つのバケツを共有する」仕組みを今も進化させています。
格安SIMを選ぶユーザーの最大の目的は「節約」です。1GBの無駄も出したくないというニーズに対し、シェア機能は最強の武器になります。
格安SIMの狙いは「一滴も無駄にしない効率性」
格安SIMでは、例えば家族3人で「20GBを共有する」という契約が一般的です。 お父さんが余らせた5GBを、娘が動画視聴で使い切る。このように、家族全体でギガを余らせず、かつ不足もさせない「効率的な運用」を売りにしています。
特にIIJmioのように「ドコモ回線とau回線が混じっていてもシェアできる」といった柔軟な仕組みは、大手キャリアには絶対に真似できない、格安SIMならではの強みです。
3. 「ギフト」と「プール」の違い
やり取りの「手軽さ」についても、考え方の違いが現れています。
大手キャリアの「ギフト型」
auなどが採用しているのは、足りない時に「あげる」という操作が必要なギフト型です。基本は個人の所有物であり、困った時だけ助け合うという、自立を前提とした形です。
格安SIMの「プール型」
IIJmioなどが採用しているのは、最初から全員のギガを一つのプールに入れておく形です。誰の持ち物という区別がなく、早い者勝ちで使っていく、共同体のような仕組みです。
4. 比較表:シェアに対する姿勢の違い
| 項目 | 大手キャリア(MNO) | 格安SIM(MVNO) |
|---|---|---|
| 重視すること | 一人ひとりの快適さ(無制限) | 家族全体の節約(効率化) |
| シェアの対象 | 主に自分のスマホとタブレット | 家族全員のスマホ |
| 主な還元方法 | 月額料金からの一律割引 | ギガの無駄をなくす仕組み |
| 読者へのアドバイス | ギガを気にせず使いたいなら大手 | 1GBも無駄にせず安くしたいなら格安SIM |
まとめ:あなたは「自立型」?それとも「共有型」?
大手キャリアと格安SIM、どちらのシェアの考え方が優れているかは、家族のライフスタイル次第です。
- 家族全員が動画をたくさん見るなら、シェアを考える必要がない大手の無制限プラン。
- 家族で使う量にバラつきがあり、少しでも安く抑えたいなら、バケツを共有できる格安SIM。
このように「考え方の違い」を理解しておくと、自分たちがどちらのサービスを選ぶべきかが、より明確に見えてきます。


コメント